PRODUCT製品情報

コンバーティングに用いられるゴムローラの低摩擦化処理とその実績

弊社が寄稿した雑誌記事の一部を抜粋して掲載しています
出典:月間コンバーテック2020年9月号(加工技術研究会様)

主な特徴

1.低摩擦処理が求められた背景
ウェブハンドリングで基材を安定して搬送させるには、十分な摩擦力を有したローラーを用いることが重要となります。
しかしながら、摩擦係数の高いローラーはコンバーティングにおいて、ニップローラーを通過する時に基材へしわを発生させ、グリップ力や凝着力が強く働くことで基材を巻き上げるといった問題を発生させることがあります。
過去よりジエン系ゴムに代表されるNBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)系材質において低摩擦化処理を行うことで高摩擦による問題に対応してきましたが、EPDM(エチレン-プロピレンゴム)、ウレタン、塩素系ゴム材質などの耐オゾン性、耐候性に優れるゴム材質への効果的な処理は難しい状況でした。

 

 

2.シリコーンコーティングによる対策と懸念

それらの対策として、ゴム表面にシリコーン系のコーティングが行わる事がありますが、近年の電子部品用途では低分子量シロキサンによる電子接点障害が問題視されるようになり、シリコーン系のコーティングでは対応できない状況が増えてきています。
また、コーティングによる対策は、常に接触による変形が生じるゴムローラーのような回転体では、コーティングの剥離や脱落といった問題も懸念されます。

 

 

3.ゴム表面改質処理について

当社はゴム表面改質処理として「スベラックス」をラインナップしており、ゴム材質の特徴を損なうことなく、ゴムの摩擦係数を低減させる事が出来ます。さらに、ゴム表面はわずかな粘着を帯びており、周辺環境に存在する異物が付着するとそのまま保持してしまいますが、スベラックス処理を行ったゴムローラーでは異物を保持することなく防汚効果を発揮出来ます。
また、前述したように、従来は一部のゴム材質のみ有効でしたが、現在はEPDM、ウレタン、塩素系ゴム材質に対して非シリコーン系の表面改質が可能となっております。

ゴムの摩擦係数を低減|シワ、貼り付き防止|スベラックス処理|加貫ローラ製作所

⇒ 低摩擦化表面処理「スベラックス」に関する情報を見る

 

 

4.スベラックス処理を施したローラーについて

スベラックス処理を施したローラーの主な用途としては、タッチローラー、コンタクトローラー、レイオンローラーといった基材の巻取用途と、ラミネート、ニップ、圧胴等に使用されるローラーにおいて高評価を頂いております。
例えばウェブの巻取に用いられるタッチローラーでは、基材を綺麗に巻き取るには均一なニップで空気を絞り、巻きズレを抑制することが求められます。
しかしながら、タッチローラーの摩擦力や凝着力が大きい場合、上流より発生したトラフといわれる波状しわはそのままタッチローラー上を通過し、折れしわを発生させたまま巻き取られます。
また、空気の巻き込みを制限したい場合においても、ゴムの凝着力により、基材がゴム側へ取られることで十分な空気の絞り効果が得られません。このような問題に対して、低摩擦化と凝着防止効果を有したタッチローラーを用いることで、トラフによる折れしわを改善し、内部の空気量が調整された理想の巻取ロールを得ることができます。

 

 

5.ラミニップ、グラビア圧胴ローラーへの処理

また、ラミニップローラー等では、耐熱性と耐歪み性を有する材質が求められます。
当社特殊ウレタン系材質である「PUW」は、ウレタンにおいて懸念される加水分解に対して高い耐性を示し、耐熱性と高い歪み回復性も有している材質ですが、しわの原因となるウレタン材質特有の高い摩擦係数がスベラックス処理によって改善され、ニップローラーとして採用されています。
さらに、グラビア圧胴はNBRまたはEPDM系ゴム材質が採用されることが多いですが、NBR系ゴム材質であれば耐オゾン性が悪く、EPDM系ゴム材質であれば歪みが悪いことから、より長寿命の材質が求められていました。このような用途においてもスベラックス処理を行った「PUW」は良好な効果を発揮出来ます。
上記のような用途では、静電気によるゴミの付着やスパークによる発火の危険性から、帯電防止グレードである「ECPUW」も高評価をいただいております。

⇒ 特殊ウレタン材質「PUW/ECPUW」に関する情報を見る

 

 

6.ゴムライニング巻き取り用コアへの処理

ゴムライニングされた巻取用のコアに低摩擦化処理を行うことも有効です。
但し、ゴムライニングされた巻取コアへ基材を巻き付ける場合、ゴムの凝着が影響して基材をしわなく巻き付けることが難しくなります。
そこで、巻き取りコア用低摩擦化処理である当社製品「グリップレス処理」を行うことでしわを発生することなく容易にコアに巻き付けることが出来ます。
ゴムライニング巻き取りコア「e-コア」は、巻取時に基材の厚みにより発生する段差を吸収し、段差による基材へのダメージを防止することで基材のロスを低減します。

⇒ ゴムライニング巻き取りコア「e-コア」に関する情報を見る

 

 

7.様々なゴム材質への処理が可能

CR(クロロプレンゴム)系ゴム材質は耐熱性、耐オゾン性、耐油性といった多くの性能を一定以上のレベルで有しており、優れた工業用ゴム材質として使用されています。
スベラックス処理はこれら塩素系ゴム材質へも可能です。オゾンによる短寿命が問題となっているNBR系ゴム材質の代替材質としての採用やCR、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)系ゴム材質の低摩擦化を求められる顧客様にもご使用頂いております。
その他、シリコーン系の改質処理になりますが、シリコーン系のコロナ処理ローラ対してスベラックス処理を行うことでコロナ処理時に基材が処理ローラ側へ取られる問題に対しても有効との評価も頂いております。

 

スベラックス処理後の摩擦係数及び巻き上がり状態比較

 

 

8.おわりに

ウェブハンドリングにおいて、今後さらなる基材の薄膜化や高速搬送化が進むことで摩擦による様々な課題が発生していくと考えられます。当社は今回ご紹介させていただいたスベラックス処理に限らず、マイクログルーブローラ、コンケーブローラそして均一ニップローラといったウェブハンドリングに重要な様々なローラを取り扱っております。御客様で抱えておられる課題についても、解決の一助になれるように真摯に対応させて頂きますので、気軽に相談頂ければ幸いです。

 

 

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